深いうまみの精進だしをとるコツは浸水の途中で椎茸と昆布をカットすることです。切断面からより濃厚なダシが出ます。薄味の淡味で仕上げる精進料理に最適な精進だしに調整しています。もっとうまみを強くしたい時は、椎茸だしとこの精進だしを半々で合わせるとちょうど良いです。 さらに複雑なうまみを足したい時は、かんぴょうと穀物酢を少々加えるのがおすすめです。
精進料理は薄味で素材の持ち味を生かした淡味を大切にしています。野菜のうまみを深く味わうことで肉や魚を使わなくても満足感を得られます。干し椎茸は精進料理の重要な天然うまみ増強材です。椎茸のうまみは核酸系なのでダシが濃厚でうまみが強いと苦味として感じやすくなります。特に肉厚のどんこをたくさん煮る時は要注意です。水戻し後に苦く感じた時は、他のだしや水で薄めれば問題ありません。このため大量に精進だしを作るときは椎茸だしの器は別にしておいて、苦くないかどうか確認してから他のだしと合わせます。このやり方だとギリギリまでうまみを濃くすることができます。
(20210120)